マニュアルライターやテクニカルライターと呼ばれる、分かりやすい文章を書く専門家が
散文のルールを解説する指南書。「『分かりやすい表現』の技術」では、
街で見かける分かりにくい文章と、その改善案などを出して表現のノウハウを教える。
マニュアルライター志望者は必読。書評は以下をご覧ください。 「『分かりやすい説明』の技術」では、プレゼンテーションなどの 説明を分かりやすくするノウハウや、説明が分かるとはどういうことか という原理を解説している。具体的なノウハウとして、 15項目の説明術が紹介されている。 読んでみると「当たり前のことばかりじゃないか」と思われるだろう。 しかし、初心が不徹底になり、低品質な説明になってしまうことが多い。 特に、ルール12の「『繰り返しの劣化』に注意せよ」は、誰もが陥る罠だ。
私は就職面接の予約を電話でとったことが数十回ある。 その中には、上のような「ウニャウニャ」の応対挨拶もあったし、 挨拶が途中から聞こえてくることもあった。受話器を上げながら 話しているためだろう。返事を速くしたいため、焦って失敗しているのではないか。 受話器をとって、耳にあてて、1秒待ってから話してほしい。 逆に、電話をかけるときは受話器を構えているので、割合話が通じる。 しかし、受け手が受話器を手元に持ってきたかどうかは、 テレビ電話でもなければ確認できない。かける側は必ず「もしもし」 と言う(1秒待つのと同じになる)ことが必要だ。 こうやって言うと、細々としたことでばかばかしいと感じるかもしれない。 しかし、よい説明は、細々とした技術を組み合わせて構成されている。 原理・原則を守って、繊細な技術である説明術をマスターしてほしい。 なお、教師が子どもにする説明のノウハウは、これだけでは不十分だ。 「どんな子だって勉強できる子になれる!」 「向山式『勉強のコツ』がよくわかる本」 などに載っているが「説明はなるべくしない」 「説明は5秒ですませよ。長くても30秒以上かけるな」 などの特殊なノウハウがある。教師・教育担当者用の説明術は、 向山要一シリーズをお読みいただきたい。 「『分かりやすい文章』の技術」では、意見、情報、研究成果などを 伝達、発表する実務文のルールを解説する。実務文は「同意を求める文章」 「同意を求めない文章」に分けられる。そのため「意図の正しい伝達」だけで よい文章と「説得での成功」も必要になる文章がある。 以上のような分析をした上で、文章そのものの工夫や、 文章を見やすくする工夫(行を空ける、見出しをつけるなど)を解説している。 |