男の服装術
(落合正勝著、はまの出版刊)
背広の着方、選び方にルールはあるのか?
本書では「模範となるスーツスタイル」を述べている。
以下は本書の章立てだ。これを見るだけでも、
スーツスタイルでこだわるべきところは、
常識・直感とは違うと分かる。
靴下についての記述を挙げよう。
教訓64.靴下はホースのような形状で、人の足と脚上までを
ぴったりと被うものであり、足だけを被うものは靴下ではない。
人の素肌を隠し続けてきたという事実は、男が正しく装うときは、
いささかでも、決して下半身を他人の目にさらしてはならないという
ことを意味する。
エレガントな装いは、無駄なモノを他人の目にさらしてはならない。
エレガントの対極にあり、もっとも無駄なものは脛毛である。
同様の理由で、薄い素材のホーズの下から肌が透けて見えてはならない。
クラシックなスーツスタイルで肌の露出が許されるのは、
首から上と手だけだ。これは歴史的法則である。
教訓65.ソックスは、クラシックなスーツスタイルには絶対に避けるべき
類の靴下である。いつどんなとき脛が露出するか分からないからだ。
男の体は、本来必要な部分だけを残して、衣服にラッピングペーパーの
ようにていねいに美しく包装されているべきである。
それがクラシックスタイルなのだ。(pp.189-191)
クラシックなスーツスタイルは、人間の哲学の現れだという。
では、学校の制服は、どんな哲学を持っているか。
この本のような、明快な答えを出せるのだろうか。
特定の服装を装うことを求めるならば、
相応の理由を用意しなければならないようだ。 |