不定期記事「探索者」

作成日:2009/12/17
最終更新日: 2010/10/31
作成者:しんどうまさゆき

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再三再四の執筆だが、JR房総ローカル各線(内房線、外房線、総武本線、成田線、鹿島線、東金線)について、筆者による車両置き換えの仮説をまとめたい。

(注1、当記事は筆者による予測であり、JR東日本の公式発表ではありません。また、鉄道の運用は刻々と変化するものであり、当文書及びリンク先の情報が、最新の状況を常に反映している保証はありません。当文書およびリンク先での情報を利用したことにより、何らかの損害を被ったとしても、筆者は一切の責任を負いません)

(注2、以下では鉄道車両の形式等の専門用語が出てきます(例、113系リニューアル車)。用語の詳細については wikipedia に詳しく説明されていますのでご参照ください)

<209-2000が運転開始>
【JR東】209系2000・2100番代 営業運転開始(2nd-train)

上記記事にもあるが、当初の予告どおり、209系2000番台が2009/10/01から営業を開始した。

209系置き換えの記録(「4号車の5号車寄り」中記事)

209系0番台の2000番台化改造については上記記事に詳しく、日々更新が続いている。

千葉総合車両センター

車両置き換え予測の基礎資料となる、113系・211系運用については上記記事に詳しい。なお、209系2000番台の運用も掲載されている。

<置き換えの経過>
209-2000による113系の置き換えが「探索者 2008/09/15」に述べたとおりの経過を辿っているようで、ひとまずは東金線、鹿島線を除いた各線に入っている。以下に再度述べよう(置き換えは今後も続くため、以下は2009/12/17現在の情報であることをご了承ください)。

4+4連
・A581後半−A584−A588前半(8運用)
・A596後半−A599−A603前半(8運用)
(二者は4+4連の前側と後側であり、同一の運用)

内房線は安房鴨川までの運転が多い。
外房線は安房鴨川までの運転が多い。
総武本線は銚子までの運転が多い。
成田線は銚子までの運転が少数あり。
東金線、鹿島線での運転はない。

6+4連
・A12後半−A1−A5前半(6運用)
・A608後半−A611−A613前半(6運用)
(二者は6+4連の前側と後側であり、同一の運用)

内房線は君津までの運転が多い。館山、千倉へは少数あり。
外房線は上総一ノ宮までの運転。
総武本線、成田線での運転はない。
東金線、鹿島線での運転はない。

(注1、運用番号(A584、A12等の番号)は「千葉総合車両センター」中記事にあるものを利用しています)

(注2、時刻表(特定の駅の発車時刻表ではなく、書籍の時刻表)をお求めになり「千葉総合車両センター」の運用番号一覧に乗っている列車番号(1121M、154Mなどの番号)を探し、マーカー等で置き換え候補の番号に色つけをすると、置き換えされる列車が何時何分に最寄駅を出発するのか、詳細で見やすい情報となります。当文書を読むだけでは普通イメージが湧きませんので、この作業をお薦め致します)

(注3、房総ローカル各線の全運用を一度に置き換えることは不可能なので(幕張車両センターに今までの2倍の車両を留置することはできない)、全運用を車両の置き換えが漸次行える小さな運用グループに分割することが必要(「幕張車両センターを出庫」→「日中の運用をこなして、各路線の終点を主とした駅での停泊(数回繰り返し)」→「幕張に入庫」までを1グループとしている。なお、車両の連結は小グループ内でのみ行われることも必要。113系と209系とを連結しての運用は車両の規格上不可能なので、2グループ以上にまたがって連結する運用が存在すると、車両の置き換えが著しく困難になる)

209-2000は4連が10本、6連が5本配属されており、6+4連の6運用中3運用で209-2000を使用していると思われる(113系の6連が3本廃車になったため。最寄りの内房線を筆者が利用する際も、6+4連の運用で209-2000と113系には同程度遭遇するように感じる)。4+4連の運用は、上記の8運用中1運用でしか使われていないようだ(113系の4連が5本廃車になったため)。内房線、外房線での使用が多い運用だが、それでも113系を見る機会がまだ圧倒的に多い。

<今後の置き換えの順番>
今後は以下の順番になると予想する。

6連・・・
A12後半−A1−A5前半(6運用。詳細は前述。2010/03のダイヤ改正までに置き換え完了か)
→A5後半−A12前半(7運用。内房線、外房線、東金線で113系6連単独での運転。2010/10-12で置き換え完了か)
→A301、A307後半−A314(9運用。総武本線、成田線で211系5連単独での運転。2011/07に置き換え完了か)
→A302−A307前半(6運用。内房線、外房線、東金線で5連単独での運転が多い。内房線、外房線で5+5連での運転あり。2011/11に置き換え完了か)

4連・・・
A608後半−A611−A613前半(6運用。詳細は前述。2010/03のダイヤ改正までに置き換え完了か)
→A613後半−A614前半(2運用、東金線を往復する4連単独での運転。2010/03のダイヤ改正で一気に置き換えか)+A617後半−A618前半(2運用、鹿島線を往復する4連単独での運転。2010/03のダイヤ改正で一気に置き換えか)
→A581後半−A584−A588前半(8運用。詳細は前述。2010/03-2010/10で徐々に置き換えか)+A596後半−A599−A603前半(8運用。詳細は前述。2010/03-2010/10で徐々に置き換えか)
→?

6連の運用は割合簡単に予想できる。しかし、4連の運用が2009/03のダイヤ改正により大きく変わったため、予想が難しい。2010年から鹿島線、東金線にも209-2000を投入するとのことなので(JR東日本プレスリリース)、上記の範囲までは簡単に置き換え可能だ。しかし、それ以降は置き換えをしにくい運用になっている(編成の分割・併合が複雑に入り組んでいる。113系、211系、209系はそれぞれ同形式でしか連結できないので、置き換えのネックになる)。2010/03のダイヤ改正で運用の変更があるのだろうと筆者は考える。

<209-2000の出場予定を予想>
前述の予測の根拠として、筆者は209-2000の出場予定、および各車両センターでの改造工程を予想してみた。いずれも本稿執筆時点(2009/12/17)での予想であることをお断りしておく。

表・209-2000出場予想

図・209-2000改造工程予想・東京総合車両センター

図・209-2000改造工程予想・大宮総合車両センター

図・209-2000改造工程予想・長野総合車両センター

図・209-2000改造工程予想・郡山総合車両センター

図・209-2000改造工程予想・秋田総合車両センター

JR東日本が公開した情報では(鉄道ファン、2009/11号、pp63-73)、「1編成あたりの改造工期は、6両編成で約2ヶ月半、4両編成で約2ヶ月を要することになった」(p68)「全編成の改造工事完了は平成24年1月ごろになる見込みである」(p68)とのことだ。
筆者の予想も、概ねJRの発表と同じになっている。JR東日本が持つ5カ所の総合車両センターは、209-2000以外にも改造工事を多数抱えているので、工場ラインのやりくりは簡単ではなさそうだ(東北地区の701系、首都圏に点在する209系の機器更新など。高崎・房総地区の211系も、VVVF化改造を施工のうえ、全車両が山梨・長野地区へ転属するのではないかと筆者は考えている)。

<編集後記>
制作にあたり、列車運用情報等の資料の利用に快諾くださいました方々に感謝を申し上げます。
房総ローカル各線には着々と新車両が投入されている。館山や安房鴨川で通勤形電車が走るのはなかなか斬新な感じがする。一方、113系は塗色を湘南色に変更した編成が一部に現れ、横須賀色とも連結して日々走っている。113系は運用離脱後、長野総合車両センターへ廃車回送となる。沿線の方がもし見かけたならば、記念に写真を撮って鉄道雑誌他に寄贈されるのもよいだろう。例えば「鉄道ピクトリアル」誌では「D51 その一族 1115分の1の素顔」という記事を連載中(2010/05現在)だ。D51の写真を有志から募り、可能な限り機体毎に載せようと試みている。鉄道写真は、車両が現役を引退して30年以上経つと希少な記録になる。