不定期記事「探索者」

作成日:2000/07/09
最終更新日: 2008/10/27
作成者:しんどうまさゆき

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「増田式キーボード学習法」を使った、 DVORAKローマ字入力の学習記録を報告します。
最初に補足。「増田式キーボード学習法」とは、 1〜3時間でタッチタイプをマスターする学習法です。詳しくは、 リンク集から「増田式キーボード学習法」をご覧ください。 あるいは、1999/12/26の「探索者」を御覧ください。
学習の効果を批判・検討するために、私のキーボード使用歴を 公開しています。詳しくは2000/03/25の「探索者」をご覧ください。 なお、「増田式」の発明者、増田忠士さんの指導経験を参照すると、 私の飲み込みの速さは「速いほう」に入ります。 増田さんによると、今まで50万人以上をタッチタイプにしてきた実績と指導経験から 判断して、全体の30%は増田式のカリキュラムどおりの時間で学習目標を達成できるそうです。 それを除く全体の60%は、もう少し時間を必要とします。 さらに残りの10%は相当の時間を必要とします。このグループの中には、 練習を放棄される方もいるそうです。
学習効果を述べる前に、 DVORAKローマ字入力について説明します。DVORAKローマ字入力とは、 日本語入力の一方式です。 普通、日本人が日本語入力に使っている方式はQWERTYローマ字入力 (いわゆる、普通のローマ字入力)です。 (詳しくは1999/12/26の「探索者」をご覧ください) DVORAKローマ字入力は、既存のローマ字入力とはキー配列が全く違います。 左手のホームポジションに母音のキーが集まるのがDVORAKローマ字の特徴です。 本来、英語を最速入力するために作られたのですが、日本語のために 作られたのではないか?とも思える配列です。 (DVORAK配列の詳細は「増田式」のサイトをご覧ください)
では、増田式の学習記録に移ります。 私がDVORAKローマ字の存在を知ったのは1999年10月頃です。 (この経緯については「探索者」1999/12/26をご覧ください。 また、タッチタイピングの勉強の様子も述べてあります)
私は1999年12月に、3時間程度の勉強で DVORAKのタッチタイピングをマスターしました。その後、高速入力用単語集 (これは「増田式」のサイトで公開されています)を打ちつつ 実務でDVORAKローマ字を使うようにしました。これは2000年2月はじめまで続きました。 その後、ちょっとした都合で入力方式を変えました。2000年6月から 再びDVORAKを使い、高速入力学習を行いました。 両手チョイの時とは異なり、ブランクが相当あいてしまいました。 そのため、2月はじめの時点では「じゅげむ」 (じゅげむ・・・入力速度測定用に使う文章。この後も参照) で計って時速4,923字だったのですが、 高速入力学習開始時には記録が3,395字に落ちていました。
6月に、ひらがな高速入力学習で練習を再開しました。 学習期間は12日で、1日の学習時間は30〜40分です。 (1日目は手書き入力の速度測定をしました。後に揚げるグラフを参照ください) 学習の目標は時速6,000字の入力です。 (注、日本語を全てひらがなで入力して時速6,000字です) 教材は「らくらくキーボード練習帳 (1)ローマ字入力編」(増田忠士著、日本経済新聞社)を使用しました。 ひらがな高速入力学習では、学習効果を測定するために、 1日の練習が終わった時点で「じゅげむ」という文章を高速入力します。 これは全てひらがな書きの文章で、547文字あります。 (「じゅげむ」の中身は「増田式キーボード学習法」で公開されています) 以下の表・グラフが学習記録です。

学習日入力速度
(文字/時間)
2000/06/14(1日目)4,736
2000/06/15(2日目)3,395
2000/06/16(3日目)4,308
2000/06/17(4日目)4,722
2000/06/18(5日目)5,351
2000/06/19(6日目)5,168
2000/06/21(7日目)5,791
2000/06/22(8日目)5,791
2000/06/25(9日目)5,791
2000/06/26(10日目)6,372
2000/06/29(11日目)6,393
2000/07/01(12日目)5,843

ひらがな高速入力の学習記録、グラフ

ひらがな高速入力学習の後、 7月にかな漢字高速入力学習を行いました。 学習期間は12日で、1日の学習時間は30〜40分です。 (1日目は手書き入力の速度測定をしました。後に揚げるグラフを参照ください) 学習の目標は時速3,000字の入力です。 (注、日本語を漢字かな交じり文で入力して時速3,000字です。 これは「ワープロ検定3級」に楽々合格できる速度です。手書きの速度を優に越えています) 教材は「らくらくキーボード練習帳(1)ローマ字入力編」 (増田忠士著、日本経済新聞社)を使用しました。 かな漢字高速入力学習では、学習効果を測定するために、 1日の練習が終わった時点で「日本国憲法前文」という文章を高速入力します。 これは漢字仮名交じり文で、492文字あります。 (「日本国憲法前文」の中身は「増田式キーボード学習法」で公開されています) 以下の表・グラフが学習記録です。

学習日入力速度
(文字/時間)
2000/07/08(1日目)2,474
2000/07/09(2日目)2,889
2000/07/10(3日目)3,439
2000/07/11(4日目)3,936
2000/07/12(5日目)4,187
(同日じゅげむも計測、6,885)
2000/07/13(6日目)3,784
2000/07/14(7日目)4,119
2000/07/17(8日目)3,980
2000/07/18(9日目)4,588
(じゅげむ、6,542)
2000/07/20(10日目)4,428
(じゅげむ、6,564)
2000/07/22(11日目)4,612
2000/07/23(12日目)4,920
(じゅげむ、7,032)

かな漢字高速入力の学習記録、グラフ

かな高速入力は、目標の時速6,000字を越えました。 2000年2月まで2ヶ月使っていた経験がものを言ったようです。 練習の最中に、目標を楽々達成できそうな感じがしました。 そして、実際そうなりました。グラフにあるピンクの線は手書きの 速度ですから、タイピングの速度は手書きの約1.5倍です。 十分実用に耐えるでしょう。1ヶ月弱でこの速度に到達できますから、 入力方式の移行は簡単に行えるという事例になります。 (今まで「入力方式の移行は時間がかかるだろう」という通念があり、 簡単に移行できる事例、学習法が広く知られていない。こういう背景を考えると 増田式は革新的だと思う)
かな漢字高速入力でも、目標の時速3,000字を越えました。 なお、かな漢字のグラフにあるピンクの線も手書きの速度ですので、 かな漢字混じり文の入力速度は手書きの2倍です。 タイピングをマスターすると、とても手書きに戻れないことが 数字で分かります。増田さんも著書でおっしゃっていますが、 タイピングは手書きよりも疲れずに長時間打てて、しかも2倍速いとのことです。 今回の結果はその実例と言えるでしょう。
両手チョイの学習の時にも書きましたが、 今回も技能は「階段を登るように」上達しています。 増田式の学習理論はどんな入力方式にも適用できるということですので、 それを追証したことになります。これから、人には「増田式」で タイピングを練習しようと自信をもって薦められます。 (改めて述べますが、私の飲み込みは速いほうです。 増田さんが言うには、私のように学習が進む人は全体の3割です。 それを除いた全体の6割は、その2倍程度の時間が必要です。 そして、それを除いた全体の1割は、もう少し時間が必要です。 ともあれ、9割の人間が1ヶ月から2ヶ月程度で、手書き速度の 2倍程度のタイピングをマスターできる勉強法は他にないでしょう) また、練習にブランクが空いても簡単に習得技能を取り戻せることが分かりました。
私は、新しい入力方式をもう2つ習得しようと思っています。 名前を挙げると、超絶技巧入力(漢字直接入力)と片手チョイ (テンキーでの日本語入力)を始めたいと思っています。 前者は、日本語入力の究極体系になる方式なので。 後者は、携帯電話をはじめ、小型端末の文字入力に使える方式なので。 これだけマスターすれば、タイピングは必要にして 十分といえるのではないかと思います。 なお、入力方式の詳細は「増田式」のサイトをご覧ください。 ちょっと紹介しておくと「超絶」は、皆さんの常識からして 試す気がまず起きない入力方式です。 ですが、増田式でタイピングの練習をすると、その常識が疑いに変わります。 特に、未体験の入力方式で学習されることをお奨めします。